2008年09月04日

小翼

螺旋階段を上る。灯台の内側。
見上げれば万華鏡のような空。
一歩踏み出すごとに星が広がる、形を変え色を変え、上へ上へ誘う。
「灯台の内側がこんなふうになっているなんて僕ちっとも知らなかった!」

振り返ると誰かの忘れ物みたいな少女。
少女の瞳に映ったカレイドスコウプを見ていた。

少女は私の横をすり抜けて上を目指す、あの万華鏡のような空。
なぜなら少女の背中には翼が生えていて、
しかもそれは少しずつ大きくなっている。この螺旋階段を上るにつれ。

少女のあとを追う。
背中に微かな痛みを感じる。

灯台のうえで少女に追いついた。
少女の背中に小さな翼。
ちょっと小さすぎるのかも。彼女は途方に暮れている。

「昔、世界が今より大きかった頃は、
この灯台も今よりずっと高かったんだけど…。」

少女の昔は、どのくらい昔かはわからない。
手の届きそうな空。
ほとんど手の届きそうな空だと感じたのがどれくらい昔だったかわからないように。

今ではみな小さな翼で飛び。
余計に羽ばたかなくてはならない。

頑張れば頑張るほど、なぜか空は遠くなっていく。  

Posted by 松本零時  at 22:02Comments(0)

2008年08月22日

挑む

偶には手の込んだ料理を。

とかいう思いつき。

しかし手間をかければかけるほどに比例して複雑になるテイスト。

絵の具を沢山混ぜ合わせたような先には、

いつも決まって間違ったカンボジア料理のような味にたどり着く。不思議だ。  

Posted by 松本零時  at 00:43Comments(0)

2008年08月20日

ただいま俺…

引っ越して居住空間は大きくなったけど、
大きくなったのは部屋だけじゃないな。  

Posted by 松本零時  at 21:05Comments(0)

2008年08月13日

弁当箱

なあ法子。明日から弁当にしてくれないか?

なによいきなり…、そんなの無理よ。おかずはどうするのよ?急に言われても困るわ。

そうか…、すまなかった、いやべつに明後日からでも構わないんだ、
頼むよ、弁当、作ってくれよ…?

そう…、あらでも残念ね。うちにはお弁当箱がないわ。

弁当箱?

うん。

それで?

それで?ってお弁当箱がないのにどうやってお弁当を作るの?

そんなのタッパウェイでいいじゃあないか!

だめよ。

なんでだめなんだよ!

なんでって…、だってタッパウェイの蓋は重大な欠陥を抱えてるわ。

なんだよその重大な欠陥って?

タッパウェイの蓋は、透明か半透明なの。

それで?

それで?って、それだけよ。

それのどこが重大な欠陥なんだよ、そんなのどうだっていいじゃないか。

あきれた…。あなたにはそれがどういうことかわからないの?
わからないのにお弁当を作ってくれとか言ってるの?
それってとても失礼だわ。あなたにお弁当は早いわ。コンビニ弁当で充分よ。

なんだよ…。

いい?お弁当の楽しみの80%は蓋を開ける瞬間に凝縮されているの。
そこには期待と失望と喜びや哀しみや驚き、時には戸惑う事だってある。
弁当箱とは蓋だわ。中身の見えるお弁当箱なんて弁当じゃあない。

…。

どう?透明の蓋がインコレクトであるってこと。同意してくれるわよね。

ああ…。

それから私、お弁当作るなら気に入ったお弁当箱じゃなきゃ作らないから。

…。

そうね、例えば青色のスナフキンの絵柄のお弁当箱とか。





翌日、某コンビニエンスストアの景品企画会議室では、
大多数の反対にも拘らずスナフキンの弁当箱という企画が採用された。
主な反対意見はコンビニ弁当の景品が弁当箱では今後の販売に差し支えるだろうと危惧するもの、また、ある種のブラックジョークとして受け取られる可能性についても議論は交わされた。
だが結局のところたかが景品である。深く考えることもないだろうと言う事で弁当箱に決まった。
実際は企画部長が強引に決定してしまったらしい。よくあることだ。
ただどうしてあんなにも部長が青色に拘ったのかということだけは部下たちにもわからなかった。  

Posted by 松本零時  at 22:27Comments(0)

2008年08月11日

エントリー

わからない…。
私は戦勝記念公園の、昔は飛行場だった広場(滑走路に詰草を植えただけ)に斜めに突き刺さる。
そういえばなんだかぐるぐる景色が回っていた。
+ベンチに腰掛ける老婆は頭のおかしなばあさんさ。話しかけられても無視するようにとの忠告。
なんでも昔この飛行場から飛び立っていった息子の帰りを今でも待っているのだそうだ。だが、なぜ無視しなければならないかという点について言えば私はまったくの思い違いをしていた。
老婆の頭は…、いや頭というより顔といったほうが説明しやすい。
老婆の顔は、なんというか妙に整いすぎている。
見れば見るほどなんだか不安な気持ちに襲われる。
それは完全な左右対称で、
それゆえに歪であるべきものの歪でない歪が作り出す歪を内在している。
嘔吐。

はずだ。

そういう競技なんだよ。この公園はシンメトリーに作られている。
だから彼女がシンメトリーであることは必然なんだ。それがシームだ。

だいたい我々はすべてにおいてシンメトリーであり、片側にすぎないのだ。
そして向こう側では君は公園に斜めに突き刺さる男として登録されている。
是非はない。

そして私はぐるぐる回り45度の角度で放たれて、
45度角度で突き刺さる。45度で突き刺さるに然るべき距離を飛ばされて。

そういう競技らしい。よくわからないけれど。  

Posted by 松本零時  at 23:55Comments(0)

2008年07月16日

山羊たちの沈黙

ほんとは掃除やら書類やら整理したり整頓したり磨いたりしなきゃいけないんだけど(メェェ)
日中はくそ暑いしひとつ問題が解決するとまた新たに別の問題が持ち上がったりで(メェェ)
今夜はいい風吹いてるし(メェェ)いい加減掃除なんてうっちゃって(メェェ)
服部リヴァーに蛍でも見に行こう(メェェ)ビールはキンキンに冷えてるし(ゥメェェ)
暗い夜道は野生の鹿に気をつけろ(メェェ(メェェ)
相棒はチャーリー・パーカーと宮沢賢治(メ、メェェ)
いいや晩飯は(メェェ)ビールとガリガリ君で(メ、メェェ)
なんだか(メェエエエ)夏みたいです(メェェ)ね
やりなおすはずの春は(メェェェ…)また終わってしまったな(メエエエエ)

嗚呼…、山羊煩い。


そうそう、少し前に引越しました。
結構忙しいのでブログもテキトーです、悪しからず。
そのうちジンギスカンでも食べませう。  

Posted by 松本零時  at 21:33Comments(2)TrackBack(0)

2008年07月12日

ゲーテ


床一面にカッパが敷き詰められている。
「うわー、困ったなあ、足の踏み場もないよ、
もういいや、片付けるの面倒くさいしカッパの上に寝ちゃえい。」
カッパの甲羅のうえはひんやりして気持ちよかった。
これだけ疲れていればコンクリートのうえでだって人は寝れる。
一日という限られた時間の中で、出来ることは意外と少ない。全然足りない。もっと、

もっと休みを。  

Posted by 松本零時  at 23:26Comments(0)TrackBack(0)

2008年06月01日

積極的元年

積極的と定めた今年のシームに、自身がすでにストレスを感じています。
亀の腕立てくらい無理してます。サンプラザ。  

Posted by 松本零時  at 23:58Comments(0)TrackBack(0)

2008年05月24日

feel fine

夜中に口笛吹いちゃいけないのはわかってるんだ。But…  

Posted by 松本零時  at 22:38Comments(0)TrackBack(0)

2008年05月19日

Find too late

空から欠片が落ちてくる。

私はそれを拾い集め、しゃがみこみ、パズルと向き合う。

私の手のなかには私の欲しい欠片。

涼しげな君の庭が少しずつ出来上がり、

ボックス型のブランコが風に揺れるポーチで昼寝しそうな遅すぎた春。

パズルは完成に近づくけれど、

君の庭は、

門のない壁に囲まれていて、ガラスの靴ようの穴がひとつきり開いているだけ。

最後の欠片はみあたらず、だから庭には入れない。

それがたぶん完成形。  

Posted by 松本零時  at 21:43Comments(0)TrackBack(0)